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2017/12/06
イベント
「2017年度第2回温泉まちづくり研究会」を開催しました(11月28日)
7つの温泉地と当財団が共同で研究活動を進めている「温泉まちづくり研究会」(2008年発足)。2017年度第2回研究会を11月28日(火)、当財団の会議室で開催しました。概要は以下の通りです。
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【開催挨拶】 
 梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)
 大西雅之氏(温泉まちづくり研究会 代表)
 金井啓修氏(温泉まちづくり研究会 副代表)
 桑野和泉氏(温泉まちづくり研究会 副代表)

【第1部】
講演「アート(芸術文化)を活用した観光地の活性化」
○ゲストスピーカー1:関口 正洋 氏((株)アートフロントギャラリー)
   中山間地域や温泉地でのアート(芸術文化)の活かし方について
    〜プロデュースする立場から

○ゲストスピーカー2:柳 一成 氏(松之山温泉「ひなの宿ちとせ」代表取締役社長)
   温泉地でのアート(芸術文化)の活かし方について
    〜まちづくりを展開する立場から

質疑応答

【第2部】
1)会員温泉地の取り組み報告(発言順)
 阿寒湖温泉:山下晋一氏(NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構 専務理事) 
 黒川温泉:  北里有紀氏(黒川温泉観光旅館協同組合 代表理事)
 草津温泉:  中澤 敬氏(草津温泉観光協会 協会長)
 道後温泉:  新山富左衛門氏(道後温泉旅館協同組合 理事長)
 鳥羽温泉郷:奥野和宏氏(鳥羽市温泉振興会 事務局長)
 由布院温泉:桑野和泉氏((一社)由布院温泉観光協会 協会長)
 有馬温泉 :金井啓修氏((一社)有馬温泉観光協会 会長)

2)ディスカッション「温泉地でのアート(芸術文化)の展開を考える」
    各会員温泉地での取組み紹介を交えてのディスカッション

 議事進行:守屋邦彦(温泉まちづくり研究会 事務局次長)

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 今回の研究会には、7つの会員温泉地の皆さんが揃って出席されました。また、花巻温泉郷観光推進協議会がオブザーバーとして初めて参加されました。
 


 今回のテーマは「温泉地でのアート(芸術文化)の展開を考える」。近年、日本各地でアートを活用したイベントや観光地づくりが活発化しており、会員温泉地でも、道後温泉で2014年からスタートした「道後オンセナート」をはじめ、さまざまな動きが見られます。
 そこで今回は各会員温泉地での更なる展開につなげるヒントを得るため、芸術祭を企画運営する立場と、芸術祭の舞台となる地域側の立場の両面からお話を伺い、ディスカッションを行いました。


 最初に、(株)アートフロントギャラリーの関口正洋氏からお話を伺いました。同社の代表を務める北川フラム氏は、3年に1度開催される「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクターとして知られ、今年の9〜10月に初めて開催された「奥能登国際芸術祭2017」でも総合ディレクターを務めています。関口氏は大地の芸術祭(第1回から)をはじめ、各地の芸術祭に企画運営スタッフとして携わっています。

 関口氏はこれらの芸術祭に共通する考え方として、いくつかのポイントを挙げました。その一つは、「地域の基礎単位を重視し、その基礎単位に基づいてアート作品を設置したり、ワークショップなどを展開する」ことです。奥能登国際芸術祭が開催された石川県珠洲市では、公民館がある10地区が基礎単位となりました。
 「この基礎単位は集落、旧町村、学校地区など地域によって異なるが、住民は大きな行政のためではなく、旧町村や自分の集落などのためなら動く。芸術祭で住民を当事者にするには、この考え方が不可欠」と同氏は強調しました。


 また、アーティストやアートを見に来る来訪者などの「居場所の定まらない第三者」の存在も重要と語りました。
 中でも注目されるのが、芸術祭の開催を支えるボランティアスタッフ、通称「サポーター」と呼ばれる存在です。いずれの芸術祭も日本各地あるいは海外から参加しており、さまざまな芸術祭に関わる「プロサポーター」と呼ばれる人もかなり存在するとのことです。
 「地域は人間関係が硬直化しがちだが、アートやこうした第三者が地域に関わることで関係が流動化するきっかけになる」と関口氏は語りました。 

 続いて登壇したのが「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」の開催地、新潟県十日町市の松之山温泉で旅館「ひなの宿ちとせ」を営む柳 一成代表取締役社長です。
 来年に第7回目の開催を迎える大地の芸術祭が初めて開催されたのは2000年で、同芸術祭は初回から一貫して「人間は自然に内包される」をテーマに、アートを媒介に地域の価値を掘り起こし、魅力を高めることを目的にしています。

 「北川フラム氏や関口氏から、最初に芸術祭のテーマやコンセプトを説明された時は言っていることがよくわからず、それこそ宇宙人がやってきたように感じた」。柳氏は、率直に感想を述べた上で、「その時に言われたのが『アートは後からわかる』という言葉。とにかくやってみようということで、取り組んでいくうちに本当にその言葉の通りだと感じた」と語りました。


 最初は否定的だった地域の高齢者も、チケットのもぎりなどを行い、来訪者と関わるうちに服装もおしゃれになり、展示されている海外アーティストの作品について説明するように。「芸術祭の開催によって、地域の住民にいろいろな変化が生まれて来た。それを見るのが非常に嬉しい」と柳氏は語りました。
 こうした流れの中で、松之山温泉でも地域旅行会社「まんま」の設立や地域ガイドの育成がスタートしたり、温泉のブランドロゴを作るなど、芸術祭の開催に触発されて地域が活性化し、さまざまな動きが生まれていることが語られました。

 各温泉地の皆さんにとっても関心が高いテーマとあって、質疑応答やディスカッションでは、芸術祭の収支はどうなっているのか、アート作品やアーティストの選定方法はどうすべきかなどについて、活発に質問や意見交換が行われました。

 



2017/08/04
イベント
「2017年度第1回温泉まちづくり研究会」を開催しました(7月27日)
 7つの温泉地と当財団が共同で研究活動を進めている「温泉まちづくり研究会」(2008年発足)。2017年度総会及び第1回研究会を7月27日(木)、当財団の会議室で開催しました。概要は以下の通りです。
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開催挨拶 
 梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)
 末永安生((公財)日本交通公社 会長) 
 大西雅之氏(温泉まちづくり研究会 代表)

【第1部】総会
   (1)2016年度事業報告・決算報告  
   (2)2017年度事業計画案・収支計画案

【第2部】
1)会員温泉地からの取り組み報告(発言順)
   阿寒湖温泉:山下晋一氏(NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構 専務理事)
   草津温泉: 小林由美氏(湯の華会 会長)
   鳥羽温泉: 吉川勝也氏((一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会 会長)
   道後温泉: 新山富左衛門氏(道後温泉旅館協同組合 理事長)
   由布院温泉:生野敬嗣氏((一社)由布院温泉観光協会 事務局補佐) 
   黒川温泉: 松﨑郁洋氏(黒川温泉自治会 会長)

2)温泉地イメージ等調査2016(首都圏)の結果について
 ・ 調査結果についての報告 

3)温泉地の雇用(人材の確保・定着・育成)について
 ・ 各温泉地での調査実施について
 ・ 昨年度の草津温泉での調査概要報告
 ・ ディスカッション
 
議事進行:守屋邦彦(温泉まちづくり研究会 事務局次長)

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 今年度最初の研究会となる今回は、6つの会員温泉地の皆さんが参加しました(有馬温泉の皆さんは地元イベントと重なり欠席)。

 第1部の総会では、事務局から昨年度の事業報告及び本年度の事業計画案についての説明を行いました。

 第2部の研究会ではまず、会員温泉地からの最近の活動についてお話がありました。特に、由布院温泉、黒川温泉からは、7月上旬の九州北部豪雨の影響と現状の報告がありました。両温泉地とも大雨による直接的な被害はほとんどなかったものの、客足にはかなり影響が出ています。

 由布院温泉観光協会の生野敬嗣事務局補佐は「昨年の夏は熊本地震後、ふっこう割によってかなり回復したが、再び鈍化した。特にインバウンドや関東からの客足が戻っていない」と述べ、今後は関東方面への情報発信を強化する意向を明らかにしました。
 黒川温泉自治会の松﨑郁洋会長は「報道で近隣地域の被害がセンセーショナルに取り上げられたこともあり、特に福岡方面からのお客さんが激減した。お客さんが来ない状態がこんなに長く続くのは初めて。皆さんのお力をお借りしたい」と語りました。


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 続いて、守屋事務局次長から、今年3月に実施した会員7温泉地の認知度やイメージに関するインターネット調査結果について報告が行われました。対象となったのは埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の首都圏1都3県の20歳以上の在住者で約2300人から回答を得ました。
 梅川智也事務局長は「20、30代はいずれの温泉地についても『知らない』という回答の比率が高く、認知度の向上は今後の課題」と語りました。

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 研究会の後半は、本日の議論テーマである「温泉地の雇用」についてです。温泉地における人材不足や定着率の向上、育成については、以前からたびたび当研究会で喫緊の課題として指摘されてきました。
 大西雅之温泉まちづくり研究会代表(写真)は冒頭の挨拶で「各温泉地の関心が最も高かったのが雇用に関する問題。この会での議論を経て、業界に新たな提言ができるのでは」と期待を示しました。

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 守屋事務局次長から検討の進め方の説明、続いて事務局の岩崎比奈子主任研究員から、先進事例として草津温泉観光協会DMOの取り組みが紹介されました。
 このDMOは雇用環境の整備と人材の確保・定着・育成を活動の柱の一つとしており、人材育成部会を設置しています。2016年8月のDMO発足後、すぐに草津の宿泊施設で働く従業員、経営者の双方に対して雇用に関するアンケートを実施し、率直な意見の吸い上げに取り組みました。従業員からの回答率は特に高く、回収率は約5割に達しました。

 同DMOの佐藤勇人人材育成部会長(写真)は「アンケートにはかなり辛辣な意見も多く、暗い気持ちになることもあったが、一緒に取り組む仲間との交流に助けられた。なぜこういうことをやるのかという基本に立ち戻り、モチベーションを維持することが大事」と語りました。

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 草津温泉の取り組みに触発され、各会員温泉地の皆さんからはディスカッションの冒頭から多くの質問や意見が飛び交いました。各温泉地にとって関心が高い共通のテーマとあって、予定時間をオーバーするほど、非常に熱のこもった議論が行われました。
 今後は当研究会としても、会員7温泉地の旅館ホテル経営者、旅館ホテルで働く従業員のそれぞれに雇用環境についてアンケートを実施します。これにより雇用に関する現状把握を行い、調査結果を元に研究会としての提言をとりまとめる予定です。


2017/04/28
トピック
2016年度 温泉まちづくり研究会 総括レポート 発行
本書は2016年度に「温泉まちづくり研究会」にて議論を行った結果をとりまとめたものであり、全国の温泉地の方々がよりよい温泉まちづくりに向け、具体的なアクションを起こすヒントになる一冊です。「温泉まちづくり研究会」は、7つの温泉地(北海道阿寒湖温泉、群馬県草津温泉、三重県鳥羽温泉、兵庫県有馬温泉、愛媛県道後温泉、大分県由布院温泉、熊本県黒川温泉)が、日本の温泉地、温泉旅館が抱える課題について、共に解決の方向性を探り、活性化に資することを目指しています。本書では「会員温泉地からの報告~熊本地震発生後の状況について」「温泉地と国際MICE」「温泉地の観光推進組織(DMO)を考える」の3つのテーマを紹介しています。


2017/02/07
イベント
「2016年度第3回温泉まちづくり研究会」を開催しました(1月26日)
7つの温泉地と当財団が共同で研究活動を進めている「温泉まちづくり研究会」(2008年発足)。2016年度第3回研究会を1月26日(木)、当財団の会議室で開催しました。概要は以下の通りです。

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1.開催挨拶
 大西雅之氏(温泉まちづくり研究会 代表)

2.プレゼンテーション
 「DMOの現況と方向性」
 山田雄一(当財団 観光政策研究部次長・主席研究員)

3.会員温泉地からの取り組み報告(発言順)
 草津温泉:湯本晃久氏(草津温泉旅館協同組合 理事)
 鳥羽温泉:吉川勝也氏((一社)鳥羽市観光協会・鳥羽市温泉振興会 会長)
 有馬温泉:金井庸泰氏(旅館 御所坊)
 道後温泉:新山富左衛門氏(道後温泉旅館協同組合 理事長)
 阿寒湖温泉:山下晋一氏(NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構 理事長)
 由布院温泉:冨永希一氏((一社)由布院温泉観光協会 副会長) 
 黒川温泉:北里有紀氏(黒川温泉観光旅館協同組合 代表理事)

4.海外のDMOの現状報告
 清水雄一・西川亮(当財団 観光政策研究部 研究員)

5.ディスカッション
 「温泉地の観光推進組織(DMO)はどのような役割を担うべきか」

6.次年度研究会などに関する連絡
 議事進行:梅川智也(温泉まちづくり研究会 事務局長)
      守屋邦彦(温泉まちづくり研究会 事務局次長)

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今回の研究会には、7つの会員温泉地の皆さん全員が参加しました。当財団は昨年8月に南青山にオフィスビルを新築・移転したため、開始前に内覧会を行い、皆さんに新しいオフィスをご見学いただきました。研究会の会場となった地下1階は、通常は「旅の図書館」として使われているスペースで、旅に関する蔵書に囲まれた中で研究会が行われました。

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今回のテーマは「観光推進組織(DMO)」についてです。昨年2月から日本版DMOの候補法人の登録がスタートし、既に全国の登録件数は120を超えていますが、組織のあり方や何を目指すべきなのかなど、いまひとつわからないといった疑問を持つ方も未だ多くいるのが現状です。

そこで今回の研究会では、DMOという概念が登場した背景や海外の事例紹介など、基本的な概要を改めて学びつつ、DMOの形成に向けた施策展開の課題について、各会員温泉地の取り組みについての情報交換も交えながら、議論を行いました。

最初に当財団の山田雄一主席研究員(写真)より、「DMOの現況と方向性」と題したプレゼンテーションが行われました。

DMOは約15年前に登場した言葉と概念で、90年代前半に製造業向けのマネジメントやマーケティング理論がホテル業を含むサービス分野に拡大し、90年代後半になるとさらに観光地にも広がりを見せるようになります。

そうした取り組みを行う観光組織を既存の組織と区別するため、DMO(Destination Marketing/Management Organization)という呼称が使われるようになりました。

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山田主席研究員はDMOの基本形について「行政から独立した民間組織であり、自主的な財源を持つ北米系と、補助金や会費に依存する欧州系の2つに大きく分けられる」と説明。北米系はマーケティングが主体、欧州系はマネジメントが主体と、DMOの「M」が表す活動がそれぞれ異なると述べました。

北米系のDMOが有するマーケティング展開のための自主財源として、フロリダ州のデイトナビーチ・エリア・コンベンションズ&ビジターズビューローでは、宿泊税から一定比率の額を獲得しており、それが総予算1000万ドルの8割を占めているといった事例も紹介されました。

また、あまり注目されていませんが、DMOの基本的なミッションはオフシーズンやショルダーシーズン対策による経済振興であると説明。「MICEの誘致なども、その延長線上で考えられるべき」と山田主席研究員は述べました。

このほか、清水雄一・西川亮の両研究員からは、アメリカやヨーロッパなどの海外DMOの現状についての事例報告も行われました。

会員温泉地の現状報告では、日本版DMOの「地域DMO」として候補法人登録が行われている阿寒湖温泉、草津温泉、鳥羽温泉、由布院温泉からはDMOの活動現状を中心に、また有馬温泉、道後温泉、黒川温泉からはDMOに対する考え方や、DMOが行うような活動と自らの組織の活動との比較などを中心としたお話がそれぞれありました。

今回の研究会では、山田主席研究員のプレゼンテーションの直後から待ち兼ねていたように、会員の皆さんから次々に質問が投げかけられました。皆さんがDMOに対して抱く関心の高さやさまざまな疑問、戸惑いなどが浮き彫りになったと言えます。

会員温泉地の現状報告やディスカッションでも、引き続き多くの疑問や率直な意見が飛び交い、今までに増して非常に活発な議論が行われた研究会となりました。






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